生活保護問題対策全国会議

        市民の力で貧困を絶つ!

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「貧困に抗する力を広げよう」8.26東京集会宣言
 

 「法律はかざりか」。北九州市小倉北区において、生活保護を打ち切られ、本年7月10日、一部ミイラ化した遺体で発見された52歳の男性の日記にはそう書かれていました。同市では3年連続の生活保護をめぐる死亡事件です。男性は、担当ケースワーカーの度重なる厳しい就労指導の結果、本年4月2日、生活保護の辞退届の提出を強要されたのです。男性の日記は、「ハラ減った。オニギリ食いたーい」という6月5日の記載を最後に途切れ、そして、男性は餓死しました。

 厚生労働省が昨年3月、「生活保護行政を適正に運用するための手引き」を全国の自治体に周知したのを機に、全国的に稼働年齢層に対する就労指導が強化され、生活保護からの締め出しが推し進められています。それだけでなく、国は、老齢加算の廃止、母子加算の削減、保護基準そのものの切り下げ、と徹底した保護費削減策を次々と打ち出しています。貧困が目に見えて拡大する中、「自立」や「適正化」の美名の下、「最後のセーフティネット」である生活保護制度が、いまや穴だらけの「ザル法」にされようとしているのです。 そして、サラ金や日雇派遣業などの「貧困ビジネス」が、不十分な社会保障の隙間で増殖し、人々の貧困をより深刻化させています。

一方、労働の分野では雇用の破壊が進んでいます。労働規制の緩和により、正規から非正規への雇用の置き換えが進み、今や、非正規雇用は3人に1人、女性では2人に1人を超えています。非正規雇用の増大は、企業とごく一握りの人に富をもたらす一方、低賃金労働や短時間・短期の細切れ雇用を蔓延させました。そして、「ワーキングプア」-働いても生活保護基準以下の収入しか得られない人々-の数が増え続けています。

 にもかかわらず、国は「労働ビックバン」と称し、派遣労働の自由化、解雇の自由化、労働時間規制の撤廃(いわゆる「残業代ゼロ法案」)などの実現を目論んでいます。「再チャレンジ」や「雇用と需要のミスマッチの解消」の美名の下、労働者の権利を守るための労働法制もまた、次々と「ザル法」にされようとしているのです。
    
 いくら働こうと思っても安定した仕事に就けず、生活保護基準以下の収入しか得られない。頼みの綱の生活保護も利用することができない。このままでは、「保護行政の優等生」といわれる北九州市におけるのと同様の悲劇が、やがて全国で繰り広げられることになるのではないか、という強い危機感を私たちは抱いています。

 しかし、毎日8時間まじめに働いても、まともな暮らしができない労働法制はおかしい。本当に生活に困っている人が利用できず、餓死しなければならない社会保障法制はおかしい。さまざまな分野で巧みに市民の権利が切り崩され、その結果として必然的に貧困が拡大させられていることに私たちは気づいています。

 日本国憲法は、一人ひとりが人格の担い手として最大限尊重され、幸福を追求することや(13条)、健康で文化的な生活を営むこと(25条)を権利として保障しています。
法律を「かざり」にしてはなりません。すべての人が、人として人に値する暮らしをおくることができる社会をつくるため、私たちは、今こそ、労働、福祉、消費者などの個別の課題の枠を超え、手をたずさえて貧困に抗する力を広げていくことを宣言します。